メタボの罠

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血圧の)治療の対象となる基準や目標値は、

180/100→170/90→140/90→130/85

と大きく下げられてきている。

 

全国的70万人の健診結果で20才以上の該当者率を計算すると、

2.3%→10.0%→16.7%→32.5%

と基準の低下に伴って異常者率が増加していく。先に示した2003年度国民健康・栄養調査で、現在の服薬率が成人の20%に達していることと、ほぼ一致する。

 

 

日本人の死亡率のトップはガンであるが、コレステロールが少ないとガン死亡率が増加することが知られている。コレステロールは日本人にとって最も必要な成分の1つだとも言えます。

 

 

一読して、これがいかにすごいことかわかりますかね?

基準値を変えると2.3%→32.5%と患者候補を15倍以上増やすことが出来るのです。

 

そして、無駄な薬を飲まされただけでなく、ガンにかかりやすいように薬を飲まされていたかもしれないという事実があるのですから、さらに怖いです

 

奇しくも(2014年6月18日)の日本経済新聞の夕刊に各団体の高血圧の基準値がばらばらであることと、年齢毎の基準があったりなかったりするという話が出ていたのですが、医療といえども常に正解を出しているわけでないのがわかります。

 

 

 

 

 

 

参考にしたページ

P.86 厚生労働省メタボリックシンドロームに基づく医療改革として2008年度からの実施を目指している「標準的な健診・保健指導プログラム」では、年齢にかかわらず140/90mmHg以上を受診勧奨としているが、130/85mmHgを目標値としているので、この値に到達するまで薬物が使われてしまう可能性がある。

 

高齢者の治療の対象となる基準や目標値は、

180/100→170/90→140/90→130/85

と大きく下げられてきている。

 

全国的70万人の健診結果で20才以上の該当者率を計算すると、

2.3%→10.0%→16.7%→32.5%

と基準の低下に伴って異常者率が増加していく。先に示した2003年度国民健康・栄養調査で、現在の服薬率が成人の20%に達していることと、ほぼ一致する。

基準を厳しくすれば患者数が増えるのは当たり前のことである。その結果として薬剤の使用量が増大することになる。

 

まさに降圧目標値は「高血圧患者を増やすための魔法の杖」なのだ。しかも、日本高血圧学会のガイドラインにも書かれているように、これらの降圧目標低下を裏付ける日本人でのエビデンス(科学的根拠)は乏しく、海外の基準値変見への追従や、海外の2次予防を目的とした薬物治療でのエビデンスに基づいている。2次予防とは、病気の人に対して再発を防ぐことである。

 

しかし、お手本とする海外でも「利益相反」の問題が指摘されている。員初に血圧の基準値を下げたWHOは、予算の7割を製薬企業に依存していると言われている(「薬のチェックは命のチェック」2007年1月20日号)。また、米国の医薬品の監視機関であるFDAもその予算の半分以上を製薬企業に依存している(「怖くて飲めない!」ヴィレッジブックス、2006年)。

日本人に対する健康診査での診断基準や降圧目標については、安易な海外の基準への追従ではなく、独自の科学的根拠を示す必要がある。

 

年齢とともに血圧が上がるのは自然なこと

日本では労働安全衛生渋に基づく職域健診、老人保健法に基づく若人基本健診、人間ドックなど、健康診査を受ける談合が争い。多くの高血圧患者は、これらの健診で発見されている。

ところが、これらの高血圧とされる患者の多くは無症状であり、将来の心血管系疾患の予防として対比降下剤が処方されている。少ないとはいえ副作用のある薬剤を処方するには、予防効果に対するエビデンスが必要であるが、一般住民、特に高齢者に対する効果についてのエビデンスはほとんど存在せず、むしろ否定的なエビデンスのほうが多いのだ。

 

全国約70万人の健診結果から求められた男女別・年齢別居章節回を次の4つの図に示す。

基準範囲(下限値~上限値)とは正常者の95%を含む範囲であり、臨床検査の正常範囲の設定方法として使われている方法である。目標範囲は正常者の中央50%の範囲であり、欧米での生活習慣改善目標値とほぼ一致する。

 

男性の最高血圧の上限値は20~39才まで145?Hgと一定であるが、その後60才まで直線的に上昇して、165?Hgでほぼ一定となる。

女性はで20~34才まで130mmHgであるが、その後65才まで直線的に上昇して、165mmHgでほぼ一定となる。男女とも中高年での最高血圧は、160mmHgまでは正常範囲ということである。

 

このように血圧が年齢に伴って上昇するのは生体にとって必要な変化である。人間の脳は心臓より上にあり、脳に酸素や栄養分を送り届けるための血圧が必要である。加齢に伴い血管の弾力性が少なくなることは避けられないため、血圧を上昇させていくのだ。

この血圧が高すぎると血管が破れて出血するため危険と言われていたのだが、栄養状態の良くなった現代人では185?Hgまで破れないとされている。血圧は1日の中でも変動するが、普段の血圧が160mmHg以下であれば、少し高くなっても185mmHgを超えることは少ない。

 

P.108 女性にコレステロール低下薬は不要

以前は悪玉とされてきた総コレステロール特定健診から外されて、LDLが入れられた理由は、心疾患の真の悪玉がLDLだとしようとしていることによる。総コレステロールには、悪玉と言われているLDL、善玉と言われているHDL、エネルギー蓄積用のVLDL(中性脂肪の約2割)が含まれている。

 

しかし、LDLは悪玉ではなく体にとって最も必要なコレステロールなのである。肝臓で約8割が作られ、血液を通じて必要な組織に配布される。全身の細胞膜、神経細胞、ホルモンの材料なのである。

日本人の死亡率のトップはガンであるが、コレステロールが少ないとガン死亡率が増加することが知られている。コレステロールは日本人にとって最も必要な成分の1つだとも言えるのだ。

コレステロールが外された本当の理由は、「ウソ」を隠しきれなくなったことによるものだ。日本動脈硬化学会は、総コレステロールの基準を220mg/dlとしてきた。これにより、健診受診者の中高年女性の5割以上が「高脂血症」という病気にされて、コレステロール低下薬が処方されていた。

 

だが女性は授乳などのために皮下脂肪が発達し、脂質をためて利用する能力が高く、脂質が高くても健康に影響を与えることはない。欧米では総コレステロールの基準が260~270mg/dlであり、「女性にコレステロール低下薬は不要としているのに、日本だけが女性を中心にコレステロール低下薬を出していたのだ。

 

P.144 なぜ日本でタバコ規制が進まないのか

欧米はあらゆる社会的問題に対して迅速、根本的かつ徹底的な対策を講じる。日本は聖徳太子以来の「和をもって尊しとなす」精神が優先されるのか、明治政府以来の官僚を中心とする利益集団の力が強いのか、「口先だけの建前」と「変えたくない本音」による問題の先送りが優先されている。

タバコは、すべてのガンで予防可能な原因の過半数を占めていることが知られている。日本では死亡原因の一番がガンであるにもかかわらず、根本的なタバコ廃止対策は遅々として進んでいない。欧米ではコマーシャルや自動販売機の禁止、価格の大幅アップなどにより喫煙者は急激に減少した。

しかし、日本では重要な税収源となっているため、国や地方自治体は建前では禁煙を目にするが、喫煙率減少の数値目標の設定などの本格的な対策には取り組もうとしない。ガン対策推進基本計画の原案は当初、「喫煙率半減」を目標事項に含めていたが、JTが柳沢伯夫厚生労働相(当時)に抗議文を送り猛反発。結局、削除されている(朝日新聞、2007年5月27日)。

抜粋ここまで

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