やるのは大変
2014年9月4日 @ 11:23
やるのは大変 2012.4.27 ほぼ日 糸井重里氏の発言より ・
「わるいことを成功させる」のは、難しいものです。ま、ものすごく穏便な例を出すならば、 野球の「盗塁」というものは、(相手にとっての)わるいこと」です。
「盗塁するぞ、盗塁するぞ」と言うだけなら簡単ですが、ほんとうに盗塁を成功させるのは、難しいですよね。
昔のマンガやら、落語やらには、よく「どろぼう」というやつらが登場します。ほっかむりをして、口のまわりのひげが濃くて、大きな風呂敷を背負ったおっさんね。これにしたって、実際にやるとなったら大仕事です。
どろぼうを贔屓するわけではありませんが、これも、ふつうに働いたほうがよっぽどラク、というくらいの、めんどくさい大仕事なんじゃないかなぁ。
ドラマのなかでは、人が殺されたり、だまされたり、物騒なことがよく起こりますけれど、ほんとうによくよく想像してみると、犯人の側の身体的、精神的な仕事の質量というのは、並大抵じゃないと思いますよ。
ドラマの悪役って、不必要に大笑いとかしているから、お気楽な商売だと思われるかもしれないけれど、「代わりにやってみろよ」ということになったら、たいていの人は、倫理とかの問題を持ち出すまでもなく、 「やめときます」と言うでしょう。いいことだって、ふつうのことだって、実際にやるのは、ちっとも簡単じゃないですよ。
簡単なのは、言ってるだけ」の人だけです。わるいこと」「いいこと」「ふつうのこと」、どれもぜんぶ、なかなか難しいものなんです。「言うだけ」だったら、なんとでもなるのにねぇ。「けしからん。ああせい、こうせい」「こうしてやる」責任もなくて、実現しなくてもいいのだったら、それこそ「命をかけて」とかも、言い放題です。
ぼくらの見ているインターネットの世界って、そういう「言うだけ空間」になりやすいんですよね。『ネットの発言、8割引』ってことばを、考えました
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